日本では世界で大ヒットしている漫画がいくつかありますが、そんな売れてる人気漫画に共通するシナリオ設定のフォーマットに気づいてしまいました。
それはズバリ「人間の主人公が敵の属性になる(または利用する)」です。
バトル漫画には様々な強い敵が登場しますが、大ヒットしている漫画では主人公が敵の属性を受け継いだり敵の能力を利用して戦うものがあります。
主人公が本来戦うべきはずの敵の属性になってしまうことで、人間と敵との狭間で葛藤が起こり、見どころが生じて面白くなっているように思います。
それでは具体的にこの共通点に当てはまる漫画の代表例をいくつかご紹介します。
人間の主人公が敵の属性になる(または利用する)漫画
- 東京喰種(トーキョーグール)
東京喰種は、喰種(グール)と呼ばれる人肉を喰らう怪人が敵なのですが、主人公のカネキは事故で半喰種になってしまいます。
主人公が半分敵の属性になっていることが重要なポイントであり、カネキが人間と喰種の狭間で葛藤しながらも成長していく物語が読者の心を掴みました。
進撃の巨人は、母を巨人に殺された主人公のエレンが巨人を駆逐するために調査兵団に入って巨人と戦う物語です。
そんなエレンは人間でありながら巨人の力を使えることが分かり、敵である巨人の力を使って巨人と戦っていきます。そして巨人の正体は人間だと分かり、伏線回収が散りばめられていて最高に面白い漫画でした。
ONE PIECE、NARUTOに次ぐ、ジャンプ王道漫画といえばBLEACHです。
BLEACHでは主人公の黒崎一護が家族や仲間を守るために死神の力を使って戦う話です。敵は死神ではなく、虚(ホロウ)と呼ばれる悪霊でしたが、一護はホロウ化をして悪霊の力を用いて戦ったりしていました。
- 呪術廻戦
呪術廻戦は、簡単に言うと呪術師が呪霊と戦う話ですが、主人公の虎杖悠仁が特級呪物「両面宿儺の指」を飲み込んで敵である 「両面宿儺の器」となりました。
これが物語の序盤にあり、虎杖は敵の一部を体内に宿し、呪術師になって成長していきました。
- チェンソーマン
悪魔のいる世界で、デンジはチェンソーの悪魔ポチタと契約して死後に蘇生し、公安のデビルハンターとして悪魔を倒していく話です。
主人公の他にも悪魔と契約して自分の身体に取り込んでいるキャラクターもいて、悪魔の力を用いたアクションは面白いです。
- 怪獣8号
怪獣が発生する世界で、日本防衛隊への入隊を目指す主人公の日比野カフカが、小さな怪獣を飲み込んで怪獣8号になってしまいます。
この怪獣8号こそ、まさに主人公が敵の属性になるという人気バトル漫画の法則、読者のツボをおさえたシナリオ設定になっています。
番外編
映画がジブリの千と千尋の神隠しを超えて日本の興行収入1位を記録したアニメ鬼滅の刃も同じようなものです。
鬼滅の刃での敵は「鬼」ですが、主人公の妹(ヒロイン?)の禰󠄀豆子が敵の鬼に喰われて鬼になってしまいます。
主人公の竈門炭治郎は、禰󠄀豆子を助けるために鬼殺隊に入って鬼のラスボスである鬼舞辻無惨を倒すために戦っていきます。
このように、日本で大ヒットしている漫画では、主人公に限らず「敵の属性になる」要素が含まれているという共通点があることが分かります。
これはあくまでも個人的な意見に過ぎませんが、今後も主人公が敵の属性になるような漫画は出てくると思いますが、その時はこの法則が活用されているかもしれません。
漫画は日本の宝です。
これからも面白い漫画に出会えることを楽しみにしています。