皆さんは保険に入っていますでしょうか。
保険とは、みんなでお金を出し合い、何かあった時にそのお金で補償してもらえる仕組みです。
自動車保険、生命保険、がん保険などの医療保険、火災保険などなど、保険にはいろんな種類があります。
それらにはすべて入っておいたほうがいいのでしょうか?
結論から言うと、私は自動車保険以外の保険には入らなくていいと思っています。
ここではその理由について解説します。
はじめにこの結論に該当するのは以下を満たす人です。
①日本在住の日本人
②ある程度の貯蓄がある
あくまでもこの主張は、日本における話です。海外の人はいろんな保険に入っておいたほうがいいかもしれません。これは国の制度次第です。
あとは、何か(急な入院など)があっても数ヶ月といった一定期間、生活に困らないだけの貯蓄があるというのも条件です。
そもそも保険は困ったときに支え合うような仕組みなのですが、何かあっても何とかなるだけの貯蓄がある人なら保険に入らなくても大丈夫だと思います。
逆に何かあった時に生活が破綻してしまう自転車操業のような家計の方は、保険に入っておいたほうがいいことも多いでしょう。
なので私は保険を否定しているわけではないということはご了承ください。
保険に入らなくてもいい理由
保険の仕組みは保険会社が儲かるようにできている
2024年に「第一生命の初任給が32.1万円に」というニュースがありました。他の生保会社でも初任給引き上げが相次いで発表されていました。
日本の保険会社の株価は右肩上がりで上がっていますし、なぜか保険業界は景気が良さそうです。
なんで保険業界はそんなにお金が回っているのかというと、それは保険会社が儲かるように保険の仕組みができていて、多くの人が入る必要のない保険に加入して無駄な保険料を払い続けているからです。
また保険は人からお金を集めて補償をしていますが、そのお金を集める時に保険会社が多額の手数料を手中に収めているのです。
保険の商品についても、〇〇特約や〇〇セットなど、実に多くの種類の保険商品が販売されています。それらに念のため入っておこうと入っても、それが補償されることなく無駄な支払いに終わるケースも多くあります。
家族や親族に保険会社に勤務している人がいる場合は、付き合いで保険に加入しているという人もいると思います。
保険会社の営業職にはノルマがある場合があるので、そうなるとまずは身内から契約をとるのが一番手っ取り早いんですよね。
こればっかりは付き合いがあるから断れないとかだったら仕方ないかもしれませんが、私なら本当に不要と判断したら断りますね。
保険に入るにせよ入らないにせよ、まず初めに知っておいていただきたいのが、大前提として保険は保険会社が儲かる仕組みになっています。
これはパチンコや競馬が破綻せず回っている仕組みにも似ていて、元締めが儲かる仕組みになっているということです。
既に優良な保険に入っているから
自動車保険以外の保険に入らなくていい理由は、そもそも私たち日本人は既に優良な保険に入っているからです。
保険に入らなくていいと言っているのは、任意保険についてのことです。
これらはあくまで任意なので、入っても入らなくてもいいんですが、実は日本で働く全員が強制的に入らされている保険があります。
それが、健康保険です。
給与明細を見てみてください。
給料からいろいろ引かれて手取り少な!って思ったことある人も多いと思いますが、いろいろ引かれる中のうちの1つに健康保険料があります。
そして医療機関を受診する時に健康保険証を見せると思いますが、それで医療費が安くなるのは健康保険が適用されているからです。
実はこの健康保険がかなり優秀で、なんと医療費の窓口での支払いが自己負担3割で済むんです。高齢者なら2割、1割の負担だったりします。
つまりほとんどの日本人が既に健康保険という優良な保険に入っているので、少なくとも医療費を補償する内容の医療保険は要らないと思います。
医療保険が不要な理由は高額医療費制度があるから
健康保険があるといっても医療費が高額になったら大変だと思う人もいるかもしれませんが、この健康保険には高額医療費制度という優秀な制度があります。
高額医療費制度の詳細については厚生労働省のホームページに記載されていました。
例えば、70歳未満で年収約370~770万円の人が医療費に100万円かかった場合、いくら払う必要があると思いますか?
まず100万円の3割である30万円が自己負担額となり、そのうち212,570円が高額医療費として支給され、結果的な支払いは87,430円となります。
つまり医療保険に入ってなくても、健康保険で100万円の支払いが約9万円になるんです。
なので医療費については、健康保険で充分な補償がされるため、医療保険にもはや不要なんですよね。
これは日本における話なので、海外では別です。
噂では米国では医療費が高額すぎて病気になったら大変だと聞きました。
そう考えると今の日本の制度って素晴らしいですよね。
そうは言ってもいざ自分が病気になったら保険に入っておけばよかった!となるんじゃないかと思う人もいるかもしれません。
これについては実際にがんと闘病されていた経済評論家の山崎元さん自身が「がん保険はいらない」とおっしゃっていました。
生命保険は自分の死亡に賭けるギャンブル
これはホリエモンも言っていましたが、生命保険を買うことは自分が死ぬことに賭けているということなんですよね。
しかも早く死ぬことに。
生命保険の死亡保険は死んだときに補償がされるという仕組みになっているので、逆に言えば生きている間は保険料を支払い続けることになります。
早く死ねばお得で長生きしたら損をします。
つまり生命保険は自分の死亡に賭けるギャンブルなのです。
不幸の宝くじとも言われています。
誰も早く死んでお得!とはなりませんよね。
生命保険を買って自分の死に賭けるくらいなら、自分の健康に投資をして長生きしたほうがずっと良いですよ。
この世の中で唯一約束されていることは、自分がいつか死ぬということです。
こう聞くと、生命保険は絶対当たるギャンブルのように聞こえますよね。
たしかに入っていればいつかは当たるかもしれませんが、当たっても損していたら意味がありませんよね。
実際、生命保険で元を取れる人は少ないと言われています。
なぜなら多くの人が長生きし、長生きしただけ保険料を払い込んでしまっているからです。
これは競馬でいうところのトリガミです。馬券が当たっても配当より買ったお金の方が多くて、結果的に損をしている状態です。
では考えてみてください。
あなたが70歳まで生きる確率と70歳未満で死ぬ確率どっちが高いと思いますか?
この医療が発達した(今後もっと発展していく)時代において、平均寿命はどんどん上がっていきます。
そして現代は「人生100年時代」と言われており、今の現役世代の多くが100歳まで生きると考えられています。
もしあなたが70歳まで生きる確率のほうが高いのであれば、生命保険に入らなくてもいいと思います。
長生きすると思うのに生命保険に入るのは逆張り思考で損をします。
たぶん私も少なくとも70歳まで生きると思うので、生命保険は不要です。
貯蓄型の生命保険はぼったくり投資信託
同年代の知り合いに毎月1万円以上の保険を支払っている人がいます。
おそらく貯蓄型生命保険だと思いますが、それは非常に勿体無いことです。
なぜなら貯蓄型の生命保険は保険料で資産運用されますが、その運用は通常の投資信託を買う手数料の何倍もの高い手数料がかかって運用されています。
たしかに生命保険なのでちゃんと補償もありますが、通常の投資信託と利回りを比較すると明らかに高い手数料が足を引っ張っています。
私は手数料が高いという理由だけでも、貯蓄型生命保険を買うよりもネット証券で投資信託に積み立てるほうが良いと思います。
おすすめは日本の制度であるiDeCoとNISAです。
ちょっと知識のある社会人だと「生命保険に入れば年末調整で生命保険料控除を受けられる」ということは知っていると思います。
でもだから生命保険に入っておけば所得税が減ってお得になるから入ろう!と、生命保険料控除を理由に生命保険に加入するのは間違いです。
なぜなら生命保険料控除には上限額があり、上限額以上は控除されないようになっているからです。
一方、iDeCoは掛け金が全額控除となるため、控除の面からみても生命保険よりiDeCoのほうがお得です。
生命保険に入るくらいなら、iDeCoに入って老後資金を使ったほうがいいと思います。
ちなみに私は新卒からiDeCoをしていて、全額積み立てています。
任意の自動車保険は絶対に入るべき
これは普段自動車を運転する人に限りますが、任意の自動車保険にだけは絶対に入るべきです。
なぜなら基本の補償として、賠償が無制限だからです。
例えば、事故で他人を死傷させてしまった場合など、1億円以上の損害賠償がかかったとしても、賠償を無制限で契約していれば全額補償されます。
補償の金額の大きさが全然違うため、任意の自動車保険は絶対に入るべきです。
これが医療費に1億円かかるとかはなかなかないですし、仮にあっても高額医療費制度で自己負担は少ないので、医療保険の必要性が少なく感じます。
つまり、運転する人は任意の自動車保険には絶対に入りましょう。
たまにしか運転しない人は、その都度ワンデイ保険に入るのもおすすめです。
世の中は結局お金なのか?一定の貯蓄があれば保険は不要
昔から「よーく考えよ〜♪ お金は大事だよ〜♪」と言われて育っていて、子どもの頃から何となく保険は入っておいたほうがいいものだと刷り込まれていました。
ただどんな補償がされるか知らなかったので、なんでそんなに大事なんだろうと薄々思っていました。
そして物心がついてから保険について知ったとき、結局お金かよ!って思いました。なぜなら当たり前かもしれませんが、保険の補償がお金によるものだったからです。
これが何かあった時に、例えば専属のメイドやじいやが家に来てお給仕してくれるとか(わかりやすいように極端な例です。ご了承ください。)があれば、保険入ったらいいことあるじゃん!と思うかもしれませんが、実際はお金がもらえたり損害をお金で補償してくれるだけです。
世の中、結局お金かよ!って思っちゃいました。
逆に言えば、お金があれば保険は不要ということです。だってお金持ってるのにお金もらったところでって感じですからね。
つまり、一定の貯蓄があれば保険は不要なんですよね。
私は執筆時点でまだ20代ですが、資産は1000万円以上はあるので、保険には入る必要がありません。
例えば、ライフネット生命で生命保険の補償内容の例を見てみると、死亡保険で500万円とかがありました。
私の場合は現時点で資産があり、死亡時には大切な家族に資産が残るので、相続税を差し引いて比較しても500万円の補償は必要ないんですよね。
あと地元で暮らしていて家族や親族にも支えられている点も、私が保険が不要な理由の1つです。もしこれが都会住みで、周りに頼れる人や身寄りもない状態でお金がないとなると、それこそ保険は必要かもしれません。
まとめ
結論として、私は貯蓄のある日本人であれば自動車保険以外の保険には入らなくていいと思います。
ただこれは保険を全否定しているわけではなく、その人の家計状況や事情によって保険に入ったほうがいい場合もあります。
日本の法制度が変わった場合や画期的な保険が登場したような場合はこの限りではありませんが、執筆時点で私には自動車保険以外の保険は不要です。